高額な医療費を支払ったとき(高額療養費)
組合員又は家族(被扶養者)が病気やケガをして医療機関にかかったとき、自己負担が高額になった場合は組合員の負担をできるだけ少なくするために高額療養費が支給されます。
また、あらかじめ共済組合から自己負担限度額に係る認定証(限度額適用認定証)の交付を受け、組合員証等と一緒に医療機関に提出することで、窓口負担が次表の自己負担限度額までとなります。なお、健康保険証利用登録を行ったマイナンバーカード(マイナ保険証)を利用すれば、限度額適用認定証の交付を受けなくても、窓口負担が自己負担限度額までとなります。
この自己負担額から高額療養費として支給される額を控除した後の額が一定額を超えるときは、一部負担金払戻金、家族療養費附加金又は家族訪問看護療養費附加金が支給されます。
これらの給付は、医療機関等からの請求に基づき、後日、自動で登録口座へ振り込まれます(手続きは不要です。)。
①1月の一部負担金などの額が自己負担限度額を超えたとき
組合員又は家族(被扶養者)が、同一の月に1つの病院等に支払った一部負担金などの額について次の自己負担限度額を超えた場合には、高額療養費が支給されます。
所得区分 | 自己負担限度額(月額) | |
---|---|---|
ア | 標準報酬の月額 83万円以上 |
252,600円+(医療費−842,000円)×1/100 〈多数回該当:140,100円〉 |
イ | 標準報酬の月額 53万円以上83万円未満 |
167,400円+(医療費−558,000円)×1/100 〈多数回該当:93,000円〉 |
ウ | 標準報酬の月額 28万円以上53万円未満 |
80,100円+(医療費−267,000円)×1/100 〈多数回該当:44,400円〉 |
エ | 標準報酬の月額 28万円未満 |
57,600円 〈多数回該当:44,400円〉 |
オ | 低所得者 (組合員が住民税非課税者) |
35,400円 〈多数回該当:24,600円〉 |
所得区分 | 自己負担限度額(月額) | |||
---|---|---|---|---|
外来(個人ごと) | 入院を含めた世帯全体 | |||
現役並所得者 | III | 標準報酬の月額 83万円以上 |
252,600円+(医療費−842,000円)×1/100 〈多数回該当:140,100円〉 |
|
II | 標準報酬の月額 53万円以上83万円未満 |
167,400円+(医療費−558,000円)×1/100 〈多数回該当:93,000円〉 |
||
I | 標準報酬の月額 28万円以上53万円未満 |
80,100円+(医療費−267,000円)×1/100 〈多数回該当:44,400円〉 |
||
一般 | 標準報酬の月額 28万円未満 |
18,000円 (年間上限144,000円) |
57,600円 〈多数回該当:44,400円〉 |
|
低所得者 | Ⅱ | 組合員が住民税非課税者 | 8,000円 | 24,600円 |
Ⅰ | 住民税非課税世帯で 総所得金額0円 |
15,000円 |
- (注)(1)過去12か月間に、ひとつの世帯で高額療養費の支給が4回以上あった場合、4回目からは<>内の多数回該当の自己負担限度額を超えた分を支給します。
- (2)月の途中で75歳の誕生日を迎えると、移行した後期高齢者医療制度と移行前の医療制度、それぞれのその月の自己負担限度額が1/2となります。また、組合員が後期高齢者医療制度の被保険者となった場合、その被扶養者は国民健康保険等に加入することとなりますが、この場合の被扶養者に係る自己負担限度額も同様に2分の1となります。
- (3)7月31日に所得区分が一般又は低所得者で、前年8月1日から7月31日までの外来療養にかかる自己負担合計額が144,000円を超える場合、その超えた額を支給します。
②1月の一部負担金などの額で21,000円以上のものが複数あるとき(世帯合算)
同一の世帯で(組合員及び家族(被扶養者)について)、同一の月にそれぞれ1つの病院等に支払った一部負担金などの額で21,000円以上のものが2つ以上ある場合には、それらの一部負担金などの額を合算した額から①−表1の自己負担限度額を控除した金額が高額療養費として支給されます。また、高齢受給者の場合はすべての一部負担金を合算して、①−表2を用いて支給額を計算します。
- (注)(1)後期高齢者医療制度の被保険者となった月又は組合員が後期高齢者医療制度の被保険者となったことによりその家族(被扶養者)が国民健康保険等に加入した月については、上記21,000円は10,500円となります。
- (2)高齢受給者が後期高齢者医療制度の被保険者となった月の高額療養費は、世帯全体の支給額を計算する前に、個人ごとの外来の支給額、個人ごとの入院を含めた支給額を計算します。個人ごとの入院を含めた支給額の自己負担限度額は表2「入院を含めた世帯全体」の額の2分の1となります。
③長期にわたる高額な病気の患者の特例
組合員又は家族(被扶養者)が人工透析を必要とする慢性腎不全や血友病等の診療を受けた場合で、この診療を受けた組合員又は家族(被扶養者)が共済組合の認定を受けた者であり、かつ、同一の月にそれぞれ1つの病院等から受けたこの診療の一部負担金などの額が10,000円(人工透析を必要とする70歳未満の組合員のうち、標準報酬の月額530,000円以上の者は20,000円)を超える場合には、その一部負担金などの額から10,000円又は20,000円を控除した額が高額療養費として支給されます。
- (注)(1)この特例を受ける場合は、共済組合が発行する「特定疾病療養受療証」を組合員証等と共に病院などに提示する必要があります。
- (2)特定疾病療養受療証は、共済組合に「特定疾病療養受療証交付申請書」を提出し、交付を受けてください。
- (3)後期高齢者医療制度の被保険者となった月については、上記の額は2分1となります。また、組合員が後期高齢者医療制度の被保険者となった場合、その家族(被扶養者)は国民健康保険等に加入することとなりますが、この場合の家族(被扶養者)に係る上記の額も同様に2分の1となります。
- (4)オンライン資格確認を導入している医療機関で、マイナ保険証を利用する場合は、特定疾病療養受療証の提示は不要です。
高額療養費の現物給付
高額療養費は、原則として事後的に支給(償還払い)されるものですが、窓口での支払いが高額になることが想定される場合は、次の方法により、医療機関の窓口での支払いを自己限度額までとすることができます。
- マイナ保険証を利用する
医療機関の窓口でマイナ保険証を提出し、「限度額情報の表示」に同意します。- ※オンライン資格確認を導入している医療機関である必要があります。
- 限度額適用認定証を利用する
医療機関の窓口で組合員証と併せて、限度額適用認定証を提出します。- ※限度額適用認定証は事前に共済組合から交付を受けておく必要があります。
高額療養費の支給基準
暦月ごとに計算
月の1日から末日までの受診について1月として計算します。例えば、月の15日から翌月の14日まで月をまたがって入院したような場合で、初めの月の自己負担額が50,000円、翌月が40,000円であるように合計が定められた額を超えていても、高額療養費は支給されません。
しかし、同一月内にいったん退院し、またそこへ入院したような場合は、合わせて計算されます。
病院、診療所ごとに計算
例えば、甲の病院と乙の病院へ同時にかかっているような場合でも、両方を合算することはしないで、それぞれの自己負担分について計算されます。
歯科は別
病院や診療所に内科などの科と歯科がある場合は、それらは別の医療機関として扱われます。
入院と通院
1つの病院や診療所でも入院と通院は別に扱われます。
差額ベッド代
保険外併用療養費の対象となるベッド代の差額は支給の対象になりません。
高額な医療費を支払ったとき(一部負担金払戻金・家族療養費附加金)
同じ人が同じ月内に同じ医療機関(入院・外来別)に支払った一部負担金から基準額を控除した金額(100円未満切り捨て)を支給します。(給付額1, 000円未満の場合は不支給)
標準報酬の月額 | 基準額 | |
---|---|---|
①1件あたり | ②高額療養費合算対象 | |
53万円未満 | 25,000円 | 50,000円 |
53万円以上 | 50,000円 | 100,000円 |
高額療養費が支給される場合(限度額適用認定証を使用した場合)も基準額を超えた場合は、下記例の金額を支給します。
- (例)(1)一部負担金払戻金等=1件あたりの自己負担金一(高額療養費)-基準額①
- (2)一部負担金払戻金等=高額療養費合算対象の自己負担金(21,000円以上)の合計-(高額療養費)-基準額②
- ※市区町村から医療費助成を受給しているときは支給しません。
- ※心身障害者医療費助成、母子・父子家庭医療費助成の受給資格を取得または喪失したとき、子ども(乳幼児)医療費助成が所得制限により受給できないときは共済組合へ届出が必要です。